営業方法 商社マンの交渉術
化学品商社の営業マン時代に、ある仕入先の商材は化学分子式を見ると自社が取り扱っている材料が使われていることが分かりました。その材料メーカーは複数存在します。そこで、現在購入している材料メーカーを聞き出して、そこ以外の材料メーカーへの提案方法を考えました。
その商材は業界が狭く、通常の取引の依頼では困難であると考えて、そのお客様に月にタンクローリー4車のうち1車のみを継続的に受注したいこと、その代わりに、その1車分については既存メーカーより安価な価格で納品することを考えました。仕入先を得意先にする営業は、成功確率が高い方法です。
お客様の了解を得て、別の材料メーカーに交渉しましたが、そのタイミングでは良い返事はもらえませんでした。お客様にも謝罪しました。ここで諦めないのが営業です。半年後に再度、材料メーカーに打診すると、了解が得られました。結果的に、お客様、材料メーカー、商社の全員がwin-win-winとなりました。
マーケティング・コンサルタント 川本 比呂史