営業方法 商社マンの役割
商社は卸売業者の範疇に入りますが、商社と名乗れる決定的な特徴は営業担当者が得意先の業務課題や技術課題を解決するために、その解決策を自ら考えて仕入先の協力を得ながら、あるいは、自社が製造業者となって、商品やサービスの形態で取引契約まで先導できるノウハウと実績があることです。
いわゆる提案営業・コンサルティング営業・技術営業と言われている能力・知識・実績を兼ね備えている必要があります。この営業方法は価格競争を回避できるだけでなく、競合他社が模倣品を開発するまでは高価格で販売できる可能性が高くなります。
この提案営業が一度成功すると、仕入先の製造業者の開発部長や開発担当者から一目置かれて、情報収集や取引拡大のために仕入先から頼られます。化学品商社の場合には、大手企業の研究所の研究員と常時開発案件を抱えている、または、連絡すれば接触できる関係性を構築することが重要です。
マーケティング・コンサルタント 川本 比呂史